1997年:

太陽の林檎」「カナリア」「隔てのドア」「金曜日、僕は寝坊した」「悪い恋
クロスワードパズル」「途中の家」「夕なぎ」「失速!

 

  太陽の林檎

どんな辛い一日だって 嘘をつけば無駄になる
意味もなく笑顔見せても 誰にも届かないだろう

だけど君は呆れるほどに 胸の思い押さえては
あてのない優しさ求め 静かに微笑み続ける

 いつまでも寒さに震えている あの屋根の鳥が飛び立てば
 逃げてゆく太陽を見つめてる 君だけがひとり震えてる

辛い夜と眠い朝には 胸の思い放り出し
暖かな歌を歌って 背中を伸ばしてみるんだ

 太陽に突き進む勇気なら その胸に隠しているだろう
 どこまでも自由に腕を伸ばし 心から声を出せばいい

  疲れ果て月は沈んでゆく
  君だけが闇に震えている

 太陽に突き進む勇気なら その胸に隠しているだろう
 どこまでも自由に腕を伸ばし 心から声を出せばいい
 いつまでも寒さに震えている あの屋根の鳥が飛び立てば
 逃げてゆく太陽を見つめてる 君だけがひとり震えてる
 太陽に突き進む勇気なら その胸に隠しているだろう
 どこまでも自由に腕を伸ばし 心から声を出せばいい

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夕なぎ

乾いたマグカップをバッグに押し込めば
不思議なほど素っ気ない部屋が僕を見る

はがしたピンナップも破れて捨てたから
壁の白い跡だけが ここに残される

 どこかで熱いお茶を飲んだら
 そのまま誰にも会わずに駅へ急ごう

あいつの行く先も聞かずにいたけれど
どうせいつか 死ぬまでに出会う気もしてる

上着をひとつ脱いで地下へと降りるとき
一瞬止まる街の音 胸に押し込めた

 どこかでひとり お茶を飲むたび
 あいつの下手な言い訳を思い出すだろう

 どこかでひとり お茶を飲むたび
 過ぎ去る街の夕なぎを思い出すだろう

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失速!

思いきり受話器たたきつけ 約束はみんな反故にした
これきりで全部やめちまえる

目が覚めるまでは起きないで 見逃した映画探したら
昼過ぎにやっと街に出よう

 ただ歩くために歩いてみたい、なんて
 また馬鹿を言えば きっと君は“馬鹿ね”って
 ほら 笑い飛ばしてしまうかい

あの高いビルに縛られる君が今 街を見下ろせば
穏やかな顔の僕が見える

 ただ生きるために息を切らせるなんて
 あぁ馬鹿な話だから 僕のアクセルは
 もう踏み壊してしまったよ

 ただ歩くために歩いてみたい、なんて
 また馬鹿を言えば きっと君は“馬鹿ね”って

 さぁ僕のために歩いておくれ、なんて
 また馬鹿を言って 君をちょっと困らせて
 ほら ひとり笑いがこみあげる

アクセルを直すみたいに 僕はまた背伸びをしてる
明日からは違う自分と会える

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途中の家

狭い道を曲がるたびに 膝を落としてみる
面影の空 見上げたら やっと思い出した

秘密の路地は近道で いつも駆け抜けてた
古い石の目印だけ 今は残るばかり

 あの角に 優しい目をしてるじいさんがいて
 くたびれた大きな犬と ただ静かに暮らしていた

お菓子ひとつ犬に分けて 頭をなでるたび
大きな手が僕の頭 いつもなでてくれた

 雨の日に ひとり犬だけが寝そべっていて
 真っ暗な家の奥を見て 静かにひとつ吠えた

街を出ていく頃には 家も取り壊され
消えた犬の行方すらも いつか忘れていた

 この角に 優しい目をしてるじいさんがいた
 わけもなく野良犬の姿 どこかに探してみる

狭い道を曲がるたびに 街は色あせてく
僕が暮らした家だけは 見つけないで帰ろう

空が高いうちに・・・
空が高いうちに・・・

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クロスワードパズル

通り過ぎる人はスーツの中で眠り
目が覚めない夜にはスーツで家を燃やす

 いつもそれはそれで仕事は仕事で
 僕は僕であんたじゃないから
 焦げた燃えカス よそへ捨てたら
 それで忘れよう

通り過ぎる雲は影をひとつ落として
どこかの地平線の落とし穴へと誘う

 いつもそれはそれで夜明けは夜明けで
 雲は雲で神ではないから
 古い屍 そこに埋めたら
 それで忘れよう

通り過ぎる君は愛と夢を抱えて
明るい舗道の上 広げる場所を探している

 だけどそれはそれで言葉は言葉で
 愛や夢は僕ではないから
 いっそふたりで抱きあうために
 ここで忘れよう

パズルの鍵を君はどこかで失くしたね
嘘は嘘のままの空白の心だけ見える

通り過ぎる僕は言葉をもてあそんでいる
通り過ぎる君は・・・

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金曜日、僕は寝坊した

 止まった目覚まし睨みつけ テレビ点けてみる
 笑顔で誰かが 洗剤を僕に勧めてる

あきらめる誘惑の瀬戸際で 靴下を探しながら
窓越しのうららかな青空に 走りだす決意をした
寝過した言い訳なんて どこかで見つけて
今はただ晴れた空だけ見つめて 駅まで走り抜けよう

 どんなに努力を重ねても ミスはつきまとう
 すました笑顔のポスターに 僕はうなずいた

揺れだした列車では 制服の学生がアクビをして
他愛ない噂やら陰口で 友情を確かめてる
どこまでも走り続ける そんな愚かさが
汗ばんだ身体に流れ ひとりでリズムを僕はとっている

寝過した言い訳なんて どこかで見つけて
今はただ 晴れた空だけ見つめてホームに足を降ろし
どこまでも走り続ける そんな愚かさで
今はただ 身体に刻むリズムにまかせて街を抜けよう

 

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隔てのドア

白い胸元 微かに揺れて
君は静かに寝息をたてる
黒い髪には月が映って
空しい恋の姿を黙って見てる

君は笑って髪をほどいて
僕の噂を教えてくれた
甘い香りの下着の上で
冷たいその唇を押しつけながら
まるで猫を抱くように僕を抱いたね

*その心のドア 指をかけても
 ただ笑いながら鍵を下ろして
 約束もさせず 僕を追い出すんだろう

僕は背中に指をすべらせ
君の首筋 口づけてみる
夢の中まで聞こえるように
何度も君を好きだと囁いてみる
だけど僕の夢なんて君は見ないさ

※その心のドア ひとつ隔てて
 君は無邪気に僕をもてあそび
 夜が明けたなら 僕を忘れるんだろう

*repeat 

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悪い恋

君のことは忘れるよ
あいつのもとへ戻ればいい
どうせ実りはしない
悪い恋だと知っていれば
君の笑顔なんて
欲しがらないものを

どんな強い心でも
砕けてしまう夜更けがある
きっと寝覚めの悪い
甘い夢だと知っていれば
あの日 君を強く
抱かずにいたものを

僕のことを忘れたら
あいつのために生きればいい
どうせ実りはしない
悪い恋だと知った今は
どんな迷いさえも
忘れられるだろう
捨てちまえるだろう

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カナリア

ひどい嵐が通り過ぎた 晴れわたる暑い朝に
君は誰にも秘密のまま この街を出ていった

僕のもとには 背伸びをして4ビートに挑んでる
たった2曲が収められた テープだけを送りつけて

 カナリアみたいな歌声が 甘い恋を誘う
 あのとき嵐を恐がった 小さな君なんて夢のように

君によく似た女の子を グラビアで見かけたけど
妙なポーズを見せてたから 人違いと信じてる

ひどい嵐に打たれたなら 羽根だけは傷つけずに
青い空まで顔を上げて 軽やかに飛び立つんだ

カナリアみたいな歌声が どこかで聞こえた時
輝く姿を見るために どんなに遠くても飛んでゆくよ

カナリアみたいな歌声が どこかで聞こえた時
輝く姿を見るために どんなに遠くても飛んでゆくよ

カナリアみたいな歌声が・・・

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